研究紹介:【人と機械のよい関係】ー「義足」探訪(1)

  • 2012-07-03 00:35:33
突然ですが、ピストリウス選手は残念でした。

3月の大会では400mで参加標準記録を越える自己ベストをたたき出していたのですが、先月29日の大会で惜しくも届かず、これで南アフリカ代表としての個人でのロンドン・オリンピック出場の道は途絶えました。
ただし1600mでリレーメンバーに選ばれる可能性があるとのこと。もし選ばれれば世界初の出来事となります。


なぜなら、彼は義足のランナーだからです。


オスカー・ピストリウス選手は、先天性の病気のために生後11ヶ月で両足を足首から切断して以来「切断者」となりました。普段は義足を利用しなくてもよい程度の軽度の切断ではありますが、義足をつけた彼の走りは、この夏、「切断者」と「健常者」の境を取り払うかもしれません。


さて、彼の活躍によって世界が何よりも驚いたのは、義足の進化の度合いではないでしょうか。彼の足先に付いているのは、足でもなければ靴でもなく、言ってみればまさしくバネ。「こんなのあり?」と、思った人がいたのも無理からぬことです。ピストリウス選手のオリンピック出場にはこれまでに難色も示されてきました。

「サイボーグ」とも揶揄される彼の存在は、オリンピックの意味、人の身体能力と機器、装具の関係性、そして人の身体能力そのものについて、再考するきっかけとなったようです。

けれども、実は、そうした議論は、彼の装着している最新型義足の存在なくしては生じ得ないものです。


一体いつの間に、義足は、「足」を追い抜いていたのか?
義足の世界にはどのような技術革新がおきているのか?


にわかに高まった関心を胸に調べてみれば、何とここ本郷界隈には、義足の製作所が点在しているではないですか。

さらに調べてみれば、日本最古の義足製作会社まであるではないですか。
これは本郷住民としてリサーチしないわけにはいきません。

というわけで、先日、その日本で一番古い義足製作会社、日本義肢足製造株式会社に佐倉先生、黒田さん、渡部で行ってきましたので、ご報告します。


詳細は、次の投稿で。


?内容は事実に基づいていますが、調査に至る経緯など、一部フィクションです?

(文責:渡部)

ここでは、佐倉研とヒューマン・ルネサンス研究所(HRI)による共同研究【人と機械が理想的に調和する社会】の一部をお伝えします。
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