緩和医療学会での発表報告(黒田)

  • 2012-06-27 06:19:51
今年度(H24)から特任研究員として佐倉研におります、黒田です。

さて、6月22日から23日にかけて、神戸国際会議場で第17回日本緩和医療学会学術大会があり、参加して参りました。黒田も、がん患者さんの死生観をテーマに、発表を行いました。

学会では、インターナショナルレクチャーを初め、19のシンポジウム、9のパネルディスカッション、7のワークショップ、5のフォーラムに加えて、900以上のポスター発表があったかと思います。

複数のセッションが同時進行をするので、参加できたのは一部でしたが、テーマや職種に応じたセッションが組まれており、ディスカッションも盛り上がっていたことが印象的でした。特に、事例研究は現場で活動する方からの報告なので、内容も議論も実践的でした。現場から遠ざかっている黒田(もはや元心理士)としては、何が現場で困っているのか、どのように対応をしているのか、そして数年前から継続して議論されている根幹のテーマはなにか、あたらしい治療技術がもたらす現場の反応・対応はどのようなものか、さらに患者さんとの関係性はどうなっているのか、などについて考える貴重な機会となりました。

発表についても、医療者だけではなく、医療を受ける側、患者団体、宗教者など、テーマがテーマだけに、いろんな背景の方が発表を聞きにきてくださり、広く関心をもっていただけたと思います。

内容としては、死生観という定義しずらい領域を、ある程度コンセンサスのある物差し(尺度)で、量的な調査を行った結果を報告しました。結果に対する個々人の反応や感想は多岐にわたっていましたが、病いのネガティブな側面に着目されがちだが、病いを通じてよりよい人生を歩んでいるひともたくさんいる、という解釈をされた方が多かったように思います。

黒田佑次郎
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