- 2014-02-03 23:43:09
ここでは、進化生物学の理論に不案内な人を想定して、講義に必要な知識を得るための文献を、日本語の単行本を中心にあげました。●は専門的だが良い文献、●は読みやすい入門書を示します。(text by SAKURA)
【目次】
→Step1 進化論に入門する
→Step2 進化論にはまる
→Step3 進化論を広げる──周辺と背景
→Step4 進化論をきわめる
→Step5 人間への応用
→Step6 文化の進化
→Step7 コンピュータと進化
→Step8 進化論の歴史
→Step9 ぼく(佐倉統)の著書
・????????????????????????・
Step1 進化論に入門する
1-a. まずはこの1冊!
●R ・ドーキンス『利己的な遺伝子』 紀伊國屋書店
賛否両論ありますが、現代進化論の入門書としてこれほどおもしろく、よみやすいものはありません。寝っころがって読むべし!
1-b. 次の3冊
●河田雅圭『はじめての進化論』 講談社現代新書、1990 年
進化理論をわかりやすく解説した好著。残念ながら絶版。改訂版が裳華房から出る予定。
●J ・メイナード・スミス『生物学のすすめ』 紀伊國屋書店
垢抜けないタイトルとは裏腹に、進化生物学をはじめとする生物学の各分野をなで斬りにした名著。原題は Problems of Biology.
●E.F. Keller and E.A. Lloyd, eds., 1992. Keywords in Evolutionary Biology. Harvard UniversityPress, Cambridge, MA.
種とか適応とか、進化生物学の主要概念を解説した、たいへん便利な用語集。基礎概念がよくわかるだけでなく、歴史的な背景にも触れられていて役立つので、英語が気にならない人は読んでみてください。「ほー、昔の人はこんな事を考えていたのか!」というのがわかっておもしろかったりします。
Step2 進化論にはまる
2-a. 温故知新──古典に挑戦
C ・ダーウィン『種の起原』 岩波文庫
C ・ダーウィン『人間の進化と性淘汰 I, II』 文一総合出版
現代進化論の出発点となった古典中の古典ですが、本格的に勉強する人以外は読まなくてもいいでしょう。読みにくい。
2-b. もうすこし現代的に
R ・ドーキンス『ブラインド・ウォッチメイカー』 早川書房
すでにあげた『利己的な遺伝子』の著者によるダーウィン讃歌。
●J ・ワイナー『フィンチの嘴』 早川書房
ダーウィンに進化を着想させたと言われている鳥、フィンチ(実はウソ)。そのフィンチは、今でも進化している! 今、目の前で進行しつつある進化のスリリングな実況中継。読みやすいのでおすすめです。
●デネット『ダーウィンの危険な思想』 青土社
ダーウィン進化論の現代的な意義を考察した、刺激的な論争の書。著者は認知科学で有名な哲学者。
●J. Endler (1986). The Nature of Selection. Princeton, NJ: Princeton University Press.
自然淘汰について、そのメカニズムから理論的側面まで、あますとこなくまとめた良書。
Step3 進化論を広げる──周辺と背景
3-a .「私」について考える──哲学ではなく
●D ・R ・ホフスタッター、D ・C ・デネット『マインズ・アイ』 TBS ブリタニカ
「私とは何か?」を徹底的に追及したアンソロジー。読みやすく、おすすめ。
澤口俊之(1988)『知性の脳構造と進化』 海鳴社.
脳の進化についてのコラム重複仮説の提唱。
●D ・R ・ホフスタッター『ゲーデル、エッシャー、バッハ』 白揚社
自己言及について考察した古典。
3-b .「生命」について考える──哲学ではなく
J. モノー『偶然と必然』 みすず書房、1972(1971)年
分子生物学からみた、生命と人間の価値についての考察。
●M. アイゲン & R. ヴィンクラー『自然と遊戯』 東京化学同人、1981(1975)年
やはり分子生物学をふまえつつ、システム論的な視点を前面に出している生命論。
中村桂子(1990)『生命誌の扉をひらく』 哲学書房.
やはり分子生物学をふまえつつ、文学的な姿勢を前面に出している生命論。
3-c .古き良き欧州の《かをり》を味わう──指をくわえてみているだけではなく
●A. Grafen, ed., Evolution and Its Influence. Oxford University Press, Oxford, 1989.
進化思想が生物学以外の分野でどのような影響をおよぼしているか、各界の第一人者がオックスフォード大学でおこなった連続講演の記録。美術史はゴンブリッチ、哲学はパスモアといったぐあいで、「こーゆー人たちが集まるんだから、そりゃー、いい研究もできるよなー、ずりーよなー」という気にさせる一冊。でも、結構玉石混交だったりするところがおもしろい。
●D.S. Bendall, ed., Evolution from Molecules to Men. Cambridge University Press, Cambridge, 1983.
ケンブリッジ大学でおこなわれたダーウィン没後100 周年シンポジウムの講演録。
英語圏と一部大陸ヨーロッパから、そうそうたる研究者が馳せ参じており「こーゆー人たちが集まるんだから……(以下同文)」。でも、生理学者ハクスリーによる序文は、科学とは何たるかを英国的矜持をもって格調高くうたいあげた名文なので、ここだけでも読んでみる価値はある。
Step4 進化論をきわめる
柴谷篤弘・養老孟司・長野敬(編)『講座進化(全6巻)』 東京大学出版会、1991年
進化の理論から社会的影響、生態、分子進化、形態など、あらゆる側面を考察した講座。力作ぞろいだが内容には偏りが見られ、教科書としては使いにくい。第2巻の「進化論と社会」は出色のでき。
S. Maasen, E. Mendelsohn and P. Weinegart, eds. (1995) Biology as Society, Society as Biology: Metaphors. Dordrecht: Kluwer Academic Publishers.
生命システムと社会システムとの類似性は、表面的な単なるアナロジーなのか、それとももっと深くて本質的な共通点があるのか? 哲学者、生命科学者、物理学者らがあれこれと論じる。読み応えたっぷり。が、結論は出ない。
●G. Cziko (1995). Without Miracles: The Second Darwinian Revolution. Cambridge, MA: MIT Press.
ダーウィン的な選択淘汰(=無方向の変異+選択)は、生命進化だけに特有のメカニズムではない。社会や経済など、あらゆる複雑系が環境に適応するための原動力なのだ──という普遍選択理論のマニフェスト。著者はイリノイ大学の教育心理学者。
M. Ereshefsky (ed., 1992). The Units of Evolution: Essays on the Nature of Species. Cambridge, MA: MIT Press.
種とは何か? このアリストテレス以来の難問に対して、現代の生物学や科学哲学はどのように考えているか、一望できる論文集。
Step5 人間への応用
R. D. アレグザンダー『ダーウィニズムと人間の諸問題』 思索社、1988(1979)年
宗教や倫理、法律など、人間社会の諸問題を進化理論で分析した本。やや古くなったのと、内容的にちょっと平板な感じ。
●R. アクセルロッド『つきあい方の科学』 HBJ出版、1988(1984)年
世界中からコンピュータ・プログラムを公募し、繰り返し囚人のジレンマゲームのリーグ戦をやった、伝説の研究の成果。協力行動が進化的に有利であることを明らかにした。著者は国際政治学者で、同じミシガン大学の進化生物学者(昨年亡くなったウィリアム・ハミルトン)と協同してこのプロジェクトを実施した。文理越境だー!
●正高信夫 1993.『0歳児がことばを獲得するとき』 中央公論社.
動物行動学の手法を駆使して、新生児の行動を研究した名著。子供を持っている人、もつかもしれない人は必読。母親が何をすべきか、何をするようにできているか、父親が何をすべきか、何をするようにできているか、そして赤ちゃんがそれらの行動を親から引きだすようにいかに振る舞っているか……。親子の関係って、実はすごく良くできているんですね。
松沢哲郎『チンパンジー・マインド』 岩波書店、1991年
チンパンジーの心を探る。ほとんど人間。
●C・セーガン『エデンの恐竜』 秀潤社
25年前の古典ですが、人間の進化を脳というキーワードで切って見せた狙いと手腕はさすが。基本的な考えは今でも通用する。
R・ライト『モラル・アニマル(上・下)』 講談社
人間の倫理の由来は? 人はなぜ道徳的に振る舞うのか? 生物学的なアプローチ。
Step6 文化の進化
●S.ブラックモア『ミーム・マシーンとしての私』 草思社
人間の進化を遺伝子とミームの相互関係で解釈する。なかなかおもしろい。
●J・ボナー『動物は文化をもつか』 岩波書店
人間以外の動物に見られる文化的行動をまとめた古典的名著。絵もきれいなので眺めているだけでも楽しいです。
W・C・マックグルー『文化の起源をさぐる──チンパンジーの物質文化』 中山書店
アリ釣りからヤシの実わりまで、野生チンパンジーに見られる文化的現象を総覧した便利な本。
●R. Boyd and P. Richerson (1985) Culture and the Evolutionary Process. Chicago: University of Chicago Press.
人間にとっての文化システムについて、人類進化論的に研究している名コンビによる基準書。
R・ブロディ『ミーム』 講談社
ミーム概念を中心に現代社会の諸問題をとりあげた本だが、うーん、ちょっとトンデモ本はいっているかもしれない。著者はマイクロソフトの元社員で、WordだかExcelだかを開発して億万長者になった人。お金では幸せになれないと悟って引退し、現在著述業。
L.L. Cavalli-Sforza and M.W. Feldman (1981) Cultural Transmission and Evolution: A Quantitative Approach. Princeton, NJ: Princeton Univ. Press.
世界を代表する人類遺伝学者による、文化現象の進化的数理モデルの解説。
L ・L ・&F ・カヴァーリ=スフォルツァ『わたしは誰、どこから来たの』 三田出版会
上の本の著者の仕事を、ジャーナリストの長男と共著でわかりやすくまとめた良書。とくに第8章で文化のことをのべているが、農耕の発展と言語の変化が地理的にも重なって進化したことを明らかにするところなど、なかなかスリリング。出版社倒産につき、絶版。
W. Durham, William H. 1991. Coevolution: Genes, Culture, and Human Diversity. Stanford, CA: Stanford University Press.
人間の文化と遺伝、二つの世代間伝承システムの相互関係を、多数の実例を織り交ぜながらタイプ分けし、考察する力作。
C ・L ・ラムズデン&E ・O ・ウィルソン『精神の起源について』 思索社
人間の心や文化がどのように進化してきたのか、遺伝的な進化と文化的な進化とはどのような関係にあるのか、大胆に考察する。
H. Plotkin, 1994. The Nature of Knowledge: Concerning Adaptations, Instinct and the Evolution of Intelligence. London: Allen Lane/The Penguin Press.
文化というよりも人間の知識、認識に進化論的に迫る。かなり高度な内容だが、ペンギン・ブックス(日本でいったら岩波新書?)におさめられているのが驚き。
Step7 コンピュータと進化
●D ・R ・ホフスタッター『メタマジック・ゲーム』 白揚社
Scientific American (日本語版は『日経サイエンス』)に連載していたコラムをまとめたもの。フォントの美しさからAI まで、テーマは多岐に渡っているが、おもしろい。
J.R. Koza. (1992). Genetic Programming: On the Programming of Computers by Means of Natural Selection. Cambridge, MA: MIT Press.
プログラムを選択淘汰によって進化させる遺伝的プログラミングの旗揚げ宣言。分厚い。
●C.G. Langton (ed.), Artificial Life. Addison-Wesley, Redwood City, CA, 1989.
C.G. Langton, C. Taylor, J.D. Farmer and S. Rasmussen (eds.), Artificial Life II. Addison-Wesley, Redwood City, CA, 1992.
人工生命国際会議の優秀論文集。最初のものは、さすがに熱気がある。IIは洗練の 度合が増している。以後、IVまで出ているが、III以後は普通の科学になってしまった。
H. モラヴェック『電脳生物たち』 岩波書店、1991年(野崎昭弘訳、原著1989)
ミームが遺伝子を乗っ取る!? 読み物としてはおもしろいが……。
R. ラッカー『ソフトウェア』 早川書房、1989年(黒丸尚訳、原著1982)
ロボットが人間を乗っ取る!?SF。だが科学書としても読ませる。
Step8 進化論の歴史
●T.F. Glick, ed., 1988. The Comparative Reception of Darwinism, 2nd edition. University of Chicago Press, Chicago.
ヨーロッパからイスラム圏まで、世界各国におけるダーウィニズムの受容史。
S. J. グールド『人間の測りまちがい』 河出書房新社、1989(1981)年
優生学の歴史。進化論がいかに優生学を支持したか?
●E. Mayr (1982). The Growth of Biological Thought. Cambridge, MA: The Belknap Press of Harvard University Press.
生物学の歴史を、とくに進化を中心に壮大に叙述した名著。
B ・マズリッシュ『第四の境界』 ジャストシステム
コペルニクス、ダーウィン、フロイト。そしてAI 。「人間と○○」の境界が次々と消えていく。
R.J. Richards (1987). Darwin and the Emergence of Evolutionary Theories of Mind and Behavior. Chicago: The University of Chicago Press.
心理学や行動学の形成と発展、その進化思想との絡みあいを説き明かした労作。労作は口に苦し。
Step9 ぼく(佐倉統)の著書
●『現代思想としての環境問題』 中公新書 (1992)
その人の最良の著作は処女作であるとよくいわれますが、それが真実であることを証明している一冊(詳しくはインタビュー)。現在にいたる問題意識が、すでにほとんど出ている。担当編集者は早川幸彦さん。駆け出しのポスドクに新書を一冊書かせるという決断をして、ぼくを世に送り出してくれた大恩人です。
●『動きはじめた人工生命』 同文書院 (1993)
生命現象をコンピュータでシミュレーションしたり、ロボットで模倣したり、そういった生命合成の試みについて、科学哲学的に論じたエッセイ集。堅い論稿あり、ですます調の講演録ありと、硬軟取り混ぜて種種雑多なスタイルの文章が収められていて、この多様性が結構気に入っている。編集は古林操さん。最近ごぶさたしています。
●『生命の見方』 法蔵館 (1995)
生命を情報の複雑系とみなすとどうなるか、という生命論をめぐるエッセイ集。今読み返すと、みずみずしくていいじゃんと思う反面、当時すでに大きなうねりになっていた情報論的生命観を的確に把握できていないのが残念でもあり。編集は林美江さんと中嶋廣さん。お二人とも現在はトランスビューという意欲的な出版社をつくって活躍されています。
●『人工生命というシステム 複雑系解明の手がかり』(北野宏明氏、雨宮正彦氏との共著)ジャストシステム (1995)
AI研究者で最近はロボカップ実行委員長としても活躍している北野さんとの対談に、科学ジャーナリストの雨宮さんが司会役として巧みに進行してくださった、充実の鼎談。このころからぼくは科学史を生命進化とのアナロジーで考察することに興味をもっていて、そのことが随所に出てきているが、まだ実際のプログラムとしては見えていない。そういう意味ではやや食い足りないところもあるかも。北野さんは、いつもながら絶好調でブイブイ飛ばしている。編集は南館邦子さん。この仕事の直後に御結婚、御出産されました。
●『フランケンシュタインの末裔たち』 日本経済新聞社 (1995)
人工生命の哲学や歴史をひとつの中心として、生命システムとの共通点という道具立てで経済や社会にも視野を広げた論稿。なかなかの卓見!と自負していますが、その分、やや中途半端になったかも。編集は、最初が企画を立ててくれた川上恒男さん、途中から堀江憲一さん。川上さんは会社を辞めて、ケンブリッジ大学で勉強中。堀江さんはヨットとは無関係のお兄さん。
●『進化論の挑戦』 角川選書 (1997)
進化論と心理学や倫理学、認識論、文化進化、フェミニズムなどの各分野との接点がどうなっているか、ざっくりと横断的に眺めた一冊。詰めが甘く掘り下げも浅く、しかし幅の広さは5人分、という、佐倉らしい本になったのではないかと思います。担当編集者は武内由佳さん。いつも原稿、お待たせしてすみませんでした……。近々、改訂して文庫から再版の予定。
●『生命をめぐる冒険』 河出書房新社 (1998)
情報という観点からの生命論で、既発表の論稿を中心に、いくつか書き下ろしを追加した。『生命の見方』や『動き始めた人工生命』の路線。冒頭はこのころはまっていた岩明均『寄生獣』のミーム論的な解釈。もう少し掘り下げて、ほかのマンガについても、いずれ論じてみたいものです。編集は熱血漢の本村修治さん。
●『「神」に迫るサイエンス』(瀬名秀明氏他との共著) 角川文庫 (1998)
瀬名さんの『Brain Valley』のコンパニオン・ブック。脳科学やコンピュータ科学、霊長類学などにまじって、人工生命の立場からの読みを解説。「神は心のウイルスか?」を論じたら、某HPでネタバラシと批判された。違うと思うんだけどなあ。
●『わたしたちはどこから来てどこへ行くのか?』(木野鳥乎さんとの共著)ブロンズ新社 (2000)
人間とは何か? 生命とは何か? 人はなぜ生きるのか?──こういったモロモロの悩みは、進化論的にどう解釈できるのか、エッセイ風的にあれこれ考えた本。内容、装丁、その他、著者としては非常に気にいっています。木野さんのすっきりとやさしいイラストも見どころ。編集は若月真知子さんで、彼女は第三の共著者です。それぐらい、ツッコミとコメントが充実していました。
●『遺伝子vsミーム』 廣済堂ライブラリー (2001)
民族問題や教育問題など、現代社会の諸問題を、遺伝子とミームの対立という視点から解釈してみた試論集。遺伝的・進化的背景と現代文明とのズレというのは正しいと思うし、それを遺伝子vsミームというキャッチフレーズに落とし込むのもありだろうが、いかんせん扱う分野が広すぎて書き手としては、食べ過ぎて未消化に終わった感じ。編集は、ゲラに色とりどりの付箋を貼りまくる、「ポストイットの魔術師」川崎優子さん。
●『進化論という考えかた』 講談社現代新書 (2002)
進化理論を「人間」と「情報」という二つのキーワードで切ってみるとどうなるかという私論/試論。人間の心や文化を進化理論がどう扱っているか、情報科学との相互交流でどのような展望が開けつつあるのか、そして自然や科学そのものを語るツールとして進化論はどのようなメリットをもっているのか?──こういった問題について、自分なりの展望を述べてみました。進化論の歴史もまとめてあるので、入門書としてもお使いいただけると思います。巻末に90冊のブックガイドもついているし。担当編集者は堀沢加奈さん。ぼくがあまりに原稿を書かないので、とうとう軽井沢にカンヅメという荒技を行使した人ですが、ていねいで細やかに、息のあった共同作業を展開してくれました。
●『動物たちの気になる行動』(上田恵介氏と共監修) 裳華房 (2002)
『生物の科学・遺伝』に連載されていた記事を集めて編集したもの。立教大学の鳥学者・上田恵介氏と佐倉が監修。上下2巻で30の動物についての、興味深い生態・行動の観察エッセイ集。フィールドワーカーの素顔も、ちらりとのぞきます。編集は小島敏照さん。おそろしくきっちりと仕事をこなす方です。頭が下がります。
【目次】
→Step1 進化論に入門する
→Step2 進化論にはまる
→Step3 進化論を広げる──周辺と背景
→Step4 進化論をきわめる
→Step5 人間への応用
→Step6 文化の進化
→Step7 コンピュータと進化
→Step8 進化論の歴史
→Step9 ぼく(佐倉統)の著書
・????????????????????????・
Step1 進化論に入門する
1-a. まずはこの1冊!
●R ・ドーキンス『利己的な遺伝子』 紀伊國屋書店
賛否両論ありますが、現代進化論の入門書としてこれほどおもしろく、よみやすいものはありません。寝っころがって読むべし!
1-b. 次の3冊
●河田雅圭『はじめての進化論』 講談社現代新書、1990 年
進化理論をわかりやすく解説した好著。残念ながら絶版。改訂版が裳華房から出る予定。
●J ・メイナード・スミス『生物学のすすめ』 紀伊國屋書店
垢抜けないタイトルとは裏腹に、進化生物学をはじめとする生物学の各分野をなで斬りにした名著。原題は Problems of Biology.
●E.F. Keller and E.A. Lloyd, eds., 1992. Keywords in Evolutionary Biology. Harvard UniversityPress, Cambridge, MA.
種とか適応とか、進化生物学の主要概念を解説した、たいへん便利な用語集。基礎概念がよくわかるだけでなく、歴史的な背景にも触れられていて役立つので、英語が気にならない人は読んでみてください。「ほー、昔の人はこんな事を考えていたのか!」というのがわかっておもしろかったりします。
Step2 進化論にはまる
2-a. 温故知新──古典に挑戦
C ・ダーウィン『種の起原』 岩波文庫
C ・ダーウィン『人間の進化と性淘汰 I, II』 文一総合出版
現代進化論の出発点となった古典中の古典ですが、本格的に勉強する人以外は読まなくてもいいでしょう。読みにくい。
2-b. もうすこし現代的に
R ・ドーキンス『ブラインド・ウォッチメイカー』 早川書房
すでにあげた『利己的な遺伝子』の著者によるダーウィン讃歌。
●J ・ワイナー『フィンチの嘴』 早川書房
ダーウィンに進化を着想させたと言われている鳥、フィンチ(実はウソ)。そのフィンチは、今でも進化している! 今、目の前で進行しつつある進化のスリリングな実況中継。読みやすいのでおすすめです。
●デネット『ダーウィンの危険な思想』 青土社
ダーウィン進化論の現代的な意義を考察した、刺激的な論争の書。著者は認知科学で有名な哲学者。
●J. Endler (1986). The Nature of Selection. Princeton, NJ: Princeton University Press.
自然淘汰について、そのメカニズムから理論的側面まで、あますとこなくまとめた良書。
Step3 進化論を広げる──周辺と背景
3-a .「私」について考える──哲学ではなく
●D ・R ・ホフスタッター、D ・C ・デネット『マインズ・アイ』 TBS ブリタニカ
「私とは何か?」を徹底的に追及したアンソロジー。読みやすく、おすすめ。
澤口俊之(1988)『知性の脳構造と進化』 海鳴社.
脳の進化についてのコラム重複仮説の提唱。
●D ・R ・ホフスタッター『ゲーデル、エッシャー、バッハ』 白揚社
自己言及について考察した古典。
3-b .「生命」について考える──哲学ではなく
J. モノー『偶然と必然』 みすず書房、1972(1971)年
分子生物学からみた、生命と人間の価値についての考察。
●M. アイゲン & R. ヴィンクラー『自然と遊戯』 東京化学同人、1981(1975)年
やはり分子生物学をふまえつつ、システム論的な視点を前面に出している生命論。
中村桂子(1990)『生命誌の扉をひらく』 哲学書房.
やはり分子生物学をふまえつつ、文学的な姿勢を前面に出している生命論。
3-c .古き良き欧州の《かをり》を味わう──指をくわえてみているだけではなく
●A. Grafen, ed., Evolution and Its Influence. Oxford University Press, Oxford, 1989.
進化思想が生物学以外の分野でどのような影響をおよぼしているか、各界の第一人者がオックスフォード大学でおこなった連続講演の記録。美術史はゴンブリッチ、哲学はパスモアといったぐあいで、「こーゆー人たちが集まるんだから、そりゃー、いい研究もできるよなー、ずりーよなー」という気にさせる一冊。でも、結構玉石混交だったりするところがおもしろい。
●D.S. Bendall, ed., Evolution from Molecules to Men. Cambridge University Press, Cambridge, 1983.
ケンブリッジ大学でおこなわれたダーウィン没後100 周年シンポジウムの講演録。
英語圏と一部大陸ヨーロッパから、そうそうたる研究者が馳せ参じており「こーゆー人たちが集まるんだから……(以下同文)」。でも、生理学者ハクスリーによる序文は、科学とは何たるかを英国的矜持をもって格調高くうたいあげた名文なので、ここだけでも読んでみる価値はある。
Step4 進化論をきわめる
柴谷篤弘・養老孟司・長野敬(編)『講座進化(全6巻)』 東京大学出版会、1991年
進化の理論から社会的影響、生態、分子進化、形態など、あらゆる側面を考察した講座。力作ぞろいだが内容には偏りが見られ、教科書としては使いにくい。第2巻の「進化論と社会」は出色のでき。
S. Maasen, E. Mendelsohn and P. Weinegart, eds. (1995) Biology as Society, Society as Biology: Metaphors. Dordrecht: Kluwer Academic Publishers.
生命システムと社会システムとの類似性は、表面的な単なるアナロジーなのか、それとももっと深くて本質的な共通点があるのか? 哲学者、生命科学者、物理学者らがあれこれと論じる。読み応えたっぷり。が、結論は出ない。
●G. Cziko (1995). Without Miracles: The Second Darwinian Revolution. Cambridge, MA: MIT Press.
ダーウィン的な選択淘汰(=無方向の変異+選択)は、生命進化だけに特有のメカニズムではない。社会や経済など、あらゆる複雑系が環境に適応するための原動力なのだ──という普遍選択理論のマニフェスト。著者はイリノイ大学の教育心理学者。
M. Ereshefsky (ed., 1992). The Units of Evolution: Essays on the Nature of Species. Cambridge, MA: MIT Press.
種とは何か? このアリストテレス以来の難問に対して、現代の生物学や科学哲学はどのように考えているか、一望できる論文集。
Step5 人間への応用
R. D. アレグザンダー『ダーウィニズムと人間の諸問題』 思索社、1988(1979)年
宗教や倫理、法律など、人間社会の諸問題を進化理論で分析した本。やや古くなったのと、内容的にちょっと平板な感じ。
●R. アクセルロッド『つきあい方の科学』 HBJ出版、1988(1984)年
世界中からコンピュータ・プログラムを公募し、繰り返し囚人のジレンマゲームのリーグ戦をやった、伝説の研究の成果。協力行動が進化的に有利であることを明らかにした。著者は国際政治学者で、同じミシガン大学の進化生物学者(昨年亡くなったウィリアム・ハミルトン)と協同してこのプロジェクトを実施した。文理越境だー!
●正高信夫 1993.『0歳児がことばを獲得するとき』 中央公論社.
動物行動学の手法を駆使して、新生児の行動を研究した名著。子供を持っている人、もつかもしれない人は必読。母親が何をすべきか、何をするようにできているか、父親が何をすべきか、何をするようにできているか、そして赤ちゃんがそれらの行動を親から引きだすようにいかに振る舞っているか……。親子の関係って、実はすごく良くできているんですね。
松沢哲郎『チンパンジー・マインド』 岩波書店、1991年
チンパンジーの心を探る。ほとんど人間。
●C・セーガン『エデンの恐竜』 秀潤社
25年前の古典ですが、人間の進化を脳というキーワードで切って見せた狙いと手腕はさすが。基本的な考えは今でも通用する。
R・ライト『モラル・アニマル(上・下)』 講談社
人間の倫理の由来は? 人はなぜ道徳的に振る舞うのか? 生物学的なアプローチ。
Step6 文化の進化
●S.ブラックモア『ミーム・マシーンとしての私』 草思社
人間の進化を遺伝子とミームの相互関係で解釈する。なかなかおもしろい。
●J・ボナー『動物は文化をもつか』 岩波書店
人間以外の動物に見られる文化的行動をまとめた古典的名著。絵もきれいなので眺めているだけでも楽しいです。
W・C・マックグルー『文化の起源をさぐる──チンパンジーの物質文化』 中山書店
アリ釣りからヤシの実わりまで、野生チンパンジーに見られる文化的現象を総覧した便利な本。
●R. Boyd and P. Richerson (1985) Culture and the Evolutionary Process. Chicago: University of Chicago Press.
人間にとっての文化システムについて、人類進化論的に研究している名コンビによる基準書。
R・ブロディ『ミーム』 講談社
ミーム概念を中心に現代社会の諸問題をとりあげた本だが、うーん、ちょっとトンデモ本はいっているかもしれない。著者はマイクロソフトの元社員で、WordだかExcelだかを開発して億万長者になった人。お金では幸せになれないと悟って引退し、現在著述業。
L.L. Cavalli-Sforza and M.W. Feldman (1981) Cultural Transmission and Evolution: A Quantitative Approach. Princeton, NJ: Princeton Univ. Press.
世界を代表する人類遺伝学者による、文化現象の進化的数理モデルの解説。
L ・L ・&F ・カヴァーリ=スフォルツァ『わたしは誰、どこから来たの』 三田出版会
上の本の著者の仕事を、ジャーナリストの長男と共著でわかりやすくまとめた良書。とくに第8章で文化のことをのべているが、農耕の発展と言語の変化が地理的にも重なって進化したことを明らかにするところなど、なかなかスリリング。出版社倒産につき、絶版。
W. Durham, William H. 1991. Coevolution: Genes, Culture, and Human Diversity. Stanford, CA: Stanford University Press.
人間の文化と遺伝、二つの世代間伝承システムの相互関係を、多数の実例を織り交ぜながらタイプ分けし、考察する力作。
C ・L ・ラムズデン&E ・O ・ウィルソン『精神の起源について』 思索社
人間の心や文化がどのように進化してきたのか、遺伝的な進化と文化的な進化とはどのような関係にあるのか、大胆に考察する。
H. Plotkin, 1994. The Nature of Knowledge: Concerning Adaptations, Instinct and the Evolution of Intelligence. London: Allen Lane/The Penguin Press.
文化というよりも人間の知識、認識に進化論的に迫る。かなり高度な内容だが、ペンギン・ブックス(日本でいったら岩波新書?)におさめられているのが驚き。
Step7 コンピュータと進化
●D ・R ・ホフスタッター『メタマジック・ゲーム』 白揚社
Scientific American (日本語版は『日経サイエンス』)に連載していたコラムをまとめたもの。フォントの美しさからAI まで、テーマは多岐に渡っているが、おもしろい。
J.R. Koza. (1992). Genetic Programming: On the Programming of Computers by Means of Natural Selection. Cambridge, MA: MIT Press.
プログラムを選択淘汰によって進化させる遺伝的プログラミングの旗揚げ宣言。分厚い。
●C.G. Langton (ed.), Artificial Life. Addison-Wesley, Redwood City, CA, 1989.
C.G. Langton, C. Taylor, J.D. Farmer and S. Rasmussen (eds.), Artificial Life II. Addison-Wesley, Redwood City, CA, 1992.
人工生命国際会議の優秀論文集。最初のものは、さすがに熱気がある。IIは洗練の 度合が増している。以後、IVまで出ているが、III以後は普通の科学になってしまった。
H. モラヴェック『電脳生物たち』 岩波書店、1991年(野崎昭弘訳、原著1989)
ミームが遺伝子を乗っ取る!? 読み物としてはおもしろいが……。
R. ラッカー『ソフトウェア』 早川書房、1989年(黒丸尚訳、原著1982)
ロボットが人間を乗っ取る!?SF。だが科学書としても読ませる。
Step8 進化論の歴史
●T.F. Glick, ed., 1988. The Comparative Reception of Darwinism, 2nd edition. University of Chicago Press, Chicago.
ヨーロッパからイスラム圏まで、世界各国におけるダーウィニズムの受容史。
S. J. グールド『人間の測りまちがい』 河出書房新社、1989(1981)年
優生学の歴史。進化論がいかに優生学を支持したか?
●E. Mayr (1982). The Growth of Biological Thought. Cambridge, MA: The Belknap Press of Harvard University Press.
生物学の歴史を、とくに進化を中心に壮大に叙述した名著。
B ・マズリッシュ『第四の境界』 ジャストシステム
コペルニクス、ダーウィン、フロイト。そしてAI 。「人間と○○」の境界が次々と消えていく。
R.J. Richards (1987). Darwin and the Emergence of Evolutionary Theories of Mind and Behavior. Chicago: The University of Chicago Press.
心理学や行動学の形成と発展、その進化思想との絡みあいを説き明かした労作。労作は口に苦し。
Step9 ぼく(佐倉統)の著書
●『現代思想としての環境問題』 中公新書 (1992)
その人の最良の著作は処女作であるとよくいわれますが、それが真実であることを証明している一冊(詳しくはインタビュー)。現在にいたる問題意識が、すでにほとんど出ている。担当編集者は早川幸彦さん。駆け出しのポスドクに新書を一冊書かせるという決断をして、ぼくを世に送り出してくれた大恩人です。
●『動きはじめた人工生命』 同文書院 (1993)
生命現象をコンピュータでシミュレーションしたり、ロボットで模倣したり、そういった生命合成の試みについて、科学哲学的に論じたエッセイ集。堅い論稿あり、ですます調の講演録ありと、硬軟取り混ぜて種種雑多なスタイルの文章が収められていて、この多様性が結構気に入っている。編集は古林操さん。最近ごぶさたしています。
●『生命の見方』 法蔵館 (1995)
生命を情報の複雑系とみなすとどうなるか、という生命論をめぐるエッセイ集。今読み返すと、みずみずしくていいじゃんと思う反面、当時すでに大きなうねりになっていた情報論的生命観を的確に把握できていないのが残念でもあり。編集は林美江さんと中嶋廣さん。お二人とも現在はトランスビューという意欲的な出版社をつくって活躍されています。
●『人工生命というシステム 複雑系解明の手がかり』(北野宏明氏、雨宮正彦氏との共著)ジャストシステム (1995)
AI研究者で最近はロボカップ実行委員長としても活躍している北野さんとの対談に、科学ジャーナリストの雨宮さんが司会役として巧みに進行してくださった、充実の鼎談。このころからぼくは科学史を生命進化とのアナロジーで考察することに興味をもっていて、そのことが随所に出てきているが、まだ実際のプログラムとしては見えていない。そういう意味ではやや食い足りないところもあるかも。北野さんは、いつもながら絶好調でブイブイ飛ばしている。編集は南館邦子さん。この仕事の直後に御結婚、御出産されました。
●『フランケンシュタインの末裔たち』 日本経済新聞社 (1995)
人工生命の哲学や歴史をひとつの中心として、生命システムとの共通点という道具立てで経済や社会にも視野を広げた論稿。なかなかの卓見!と自負していますが、その分、やや中途半端になったかも。編集は、最初が企画を立ててくれた川上恒男さん、途中から堀江憲一さん。川上さんは会社を辞めて、ケンブリッジ大学で勉強中。堀江さんはヨットとは無関係のお兄さん。
●『進化論の挑戦』 角川選書 (1997)
進化論と心理学や倫理学、認識論、文化進化、フェミニズムなどの各分野との接点がどうなっているか、ざっくりと横断的に眺めた一冊。詰めが甘く掘り下げも浅く、しかし幅の広さは5人分、という、佐倉らしい本になったのではないかと思います。担当編集者は武内由佳さん。いつも原稿、お待たせしてすみませんでした……。近々、改訂して文庫から再版の予定。
●『生命をめぐる冒険』 河出書房新社 (1998)
情報という観点からの生命論で、既発表の論稿を中心に、いくつか書き下ろしを追加した。『生命の見方』や『動き始めた人工生命』の路線。冒頭はこのころはまっていた岩明均『寄生獣』のミーム論的な解釈。もう少し掘り下げて、ほかのマンガについても、いずれ論じてみたいものです。編集は熱血漢の本村修治さん。
●『「神」に迫るサイエンス』(瀬名秀明氏他との共著) 角川文庫 (1998)
瀬名さんの『Brain Valley』のコンパニオン・ブック。脳科学やコンピュータ科学、霊長類学などにまじって、人工生命の立場からの読みを解説。「神は心のウイルスか?」を論じたら、某HPでネタバラシと批判された。違うと思うんだけどなあ。
●『わたしたちはどこから来てどこへ行くのか?』(木野鳥乎さんとの共著)ブロンズ新社 (2000)
人間とは何か? 生命とは何か? 人はなぜ生きるのか?──こういったモロモロの悩みは、進化論的にどう解釈できるのか、エッセイ風的にあれこれ考えた本。内容、装丁、その他、著者としては非常に気にいっています。木野さんのすっきりとやさしいイラストも見どころ。編集は若月真知子さんで、彼女は第三の共著者です。それぐらい、ツッコミとコメントが充実していました。
●『遺伝子vsミーム』 廣済堂ライブラリー (2001)
民族問題や教育問題など、現代社会の諸問題を、遺伝子とミームの対立という視点から解釈してみた試論集。遺伝的・進化的背景と現代文明とのズレというのは正しいと思うし、それを遺伝子vsミームというキャッチフレーズに落とし込むのもありだろうが、いかんせん扱う分野が広すぎて書き手としては、食べ過ぎて未消化に終わった感じ。編集は、ゲラに色とりどりの付箋を貼りまくる、「ポストイットの魔術師」川崎優子さん。
●『進化論という考えかた』 講談社現代新書 (2002)
進化理論を「人間」と「情報」という二つのキーワードで切ってみるとどうなるかという私論/試論。人間の心や文化を進化理論がどう扱っているか、情報科学との相互交流でどのような展望が開けつつあるのか、そして自然や科学そのものを語るツールとして進化論はどのようなメリットをもっているのか?──こういった問題について、自分なりの展望を述べてみました。進化論の歴史もまとめてあるので、入門書としてもお使いいただけると思います。巻末に90冊のブックガイドもついているし。担当編集者は堀沢加奈さん。ぼくがあまりに原稿を書かないので、とうとう軽井沢にカンヅメという荒技を行使した人ですが、ていねいで細やかに、息のあった共同作業を展開してくれました。
●『動物たちの気になる行動』(上田恵介氏と共監修) 裳華房 (2002)
『生物の科学・遺伝』に連載されていた記事を集めて編集したもの。立教大学の鳥学者・上田恵介氏と佐倉が監修。上下2巻で30の動物についての、興味深い生態・行動の観察エッセイ集。フィールドワーカーの素顔も、ちらりとのぞきます。編集は小島敏照さん。おそろしくきっちりと仕事をこなす方です。頭が下がります。
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