- 2009-11-04 11:43:27
修士課程2年の礒部です。以下、先日まで参加していた学会の参加報告をします。
2009年10月28日から31日の間にアメリカ合衆国、ワシントンDCで開催された国際学会、4S (Society for Social Studies of Science) に参加した。4SはSTSを中心とした世界最大規模の学会であり、アメリカにその母体がある。以下では、時系列にその様子を報告したい。
私は学会2日目の29日からの参加となった。29日は、Scientific Communicationのセッションに参加した。このセッションでは、日本から北大コーステップ所属の研究者が2名発表していた。また、個人的に興味を引かれた研究発表としては、コーネル大学のテレサのものであり、彼女は化学における専門の違いにより(実験化学と物質化学?)、同一分野内でもその文化に差異があり、その差異をどのようにしてコミュニケートしていくかというものであった。方法論としては大学院生から教授までに半構造化インタビューを行うというものであった。発表後、彼女と少し話しをしたところ、インタビュー自体の分析としてこの先、どのような形態が望ましいのかという懸念があることが分かった。私自身も、分析方法を巡っては、グラウンデッドセオリーを用いるのか、それとも他に妥当な方法を用いるのかという葛藤があったため、今後も連絡を取りあいながら、お互いに研究を進めていくことを約束した。
30日は、3つのセッションに参加した。1つ目のセッションは、ガバナンスに関してのものであり、アリゾナ州立大のGustonや、Twente大(オランダ)のリップなどが登壇した。内容としては概説が中心であったが、特にリップについては、以前から彼のナノテクノロジーへの市民参加などの論文を読んでいたため、渡りに船という感じであった。2つ目のセッションとしては、科学政策の用語拡大のセッションに参加した。このセッションでは佐倉研の水島さんが、ベンチサイド倫理コンサルテーションについて発表を行った。デッスカッサントは、あのスティーブ・フラーであり、発言や行動がエキセントリックであり印象深かった。3つ目のセッションとしては、4Sのプレジデントが4名介し、かなり大き目の会場で行われたものに参加した。さすがに4Sのプレジデントということもあり、リンチ、ワイスマンなどビックネームばかりであった。内容としてはそれほど目新しいものはなかったが、実際に彼/彼女たちの話を直接聞けたことは収穫であった。
最終日の31日は、自分の発表があるセッションとナノテクノロジーに関するセッションなどに参加した。私が発表を行ったセッションは、市民参加型の実践についてのものであり、セッション全体がかなりの盛り上がりをみせた。自分自身の発表は、脳神経科学の一分野であるBMI(ブレインマシンインターフェイス)についての市民認識・専門家認識についてのものであり、質疑応答では、先にあげたTwente大のリップから、ナノテクノロジー事例との差異について質問を受けた。セッション後、リップと話をする機会ももて、彼が書いた萌芽的技術としてのナノテクノロジーと社会・倫理を題材にした論文についてメールしてもらう約束をした。また、ナノテクノロジーのセッションでは、普段から親交のある山口富子先生が発表を行った。彼女とは、日本のSTS学会でもセッションを組むことが決まっているので、事前に発表を聞く機会をもてたことで、さらに研究の理解が促進されたと思う。
2009年10月28日から31日の間にアメリカ合衆国、ワシントンDCで開催された国際学会、4S (Society for Social Studies of Science) に参加した。4SはSTSを中心とした世界最大規模の学会であり、アメリカにその母体がある。以下では、時系列にその様子を報告したい。
私は学会2日目の29日からの参加となった。29日は、Scientific Communicationのセッションに参加した。このセッションでは、日本から北大コーステップ所属の研究者が2名発表していた。また、個人的に興味を引かれた研究発表としては、コーネル大学のテレサのものであり、彼女は化学における専門の違いにより(実験化学と物質化学?)、同一分野内でもその文化に差異があり、その差異をどのようにしてコミュニケートしていくかというものであった。方法論としては大学院生から教授までに半構造化インタビューを行うというものであった。発表後、彼女と少し話しをしたところ、インタビュー自体の分析としてこの先、どのような形態が望ましいのかという懸念があることが分かった。私自身も、分析方法を巡っては、グラウンデッドセオリーを用いるのか、それとも他に妥当な方法を用いるのかという葛藤があったため、今後も連絡を取りあいながら、お互いに研究を進めていくことを約束した。
30日は、3つのセッションに参加した。1つ目のセッションは、ガバナンスに関してのものであり、アリゾナ州立大のGustonや、Twente大(オランダ)のリップなどが登壇した。内容としては概説が中心であったが、特にリップについては、以前から彼のナノテクノロジーへの市民参加などの論文を読んでいたため、渡りに船という感じであった。2つ目のセッションとしては、科学政策の用語拡大のセッションに参加した。このセッションでは佐倉研の水島さんが、ベンチサイド倫理コンサルテーションについて発表を行った。デッスカッサントは、あのスティーブ・フラーであり、発言や行動がエキセントリックであり印象深かった。3つ目のセッションとしては、4Sのプレジデントが4名介し、かなり大き目の会場で行われたものに参加した。さすがに4Sのプレジデントということもあり、リンチ、ワイスマンなどビックネームばかりであった。内容としてはそれほど目新しいものはなかったが、実際に彼/彼女たちの話を直接聞けたことは収穫であった。
最終日の31日は、自分の発表があるセッションとナノテクノロジーに関するセッションなどに参加した。私が発表を行ったセッションは、市民参加型の実践についてのものであり、セッション全体がかなりの盛り上がりをみせた。自分自身の発表は、脳神経科学の一分野であるBMI(ブレインマシンインターフェイス)についての市民認識・専門家認識についてのものであり、質疑応答では、先にあげたTwente大のリップから、ナノテクノロジー事例との差異について質問を受けた。セッション後、リップと話をする機会ももて、彼が書いた萌芽的技術としてのナノテクノロジーと社会・倫理を題材にした論文についてメールしてもらう約束をした。また、ナノテクノロジーのセッションでは、普段から親交のある山口富子先生が発表を行った。彼女とは、日本のSTS学会でもセッションを組むことが決まっているので、事前に発表を聞く機会をもてたことで、さらに研究の理解が促進されたと思う。
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