研究室紹介(古いコンテンツ)

  • 2014-02-03 23:30:20
この研究室では、進化論を縦糸に、科学技術と社会の関係を横糸に、教員・学生・研究員の各メンバーが、それぞれ自分たちの興味と関心に沿った織物を織っています。各人の個性が強く出た多彩なテーマばかりですが、多様な中にも秩序あり。大きく分けると以下の5つになります。

[ I ] 科学技術と社会の関係にかんするもの

I ? 1  科学技術と社会のコミュニケーション ( SciCoP = Science Communication Project )

 現代社会ほど、科学技術と社会が密接な関係にある時代はありません。一方で、このような時代において、科学技術そのものや、それを担っている科学者・技術者たちが、その他の社会とどのように関わっていくのか、その方法や枠組み自体が定まっていません。この研究室では、環境問題やテレビゲーム、原発建設、科学カフェ、博物館・科学館、メディアにおける科学知識のあり方、ジェンダーと進化論など、多様で多彩な切り口からこの問題にアプローチしています。

I ? 2  リビング・サイエンス・プロジェクト( LiSP = Living Science Project )

 日常生活から科学技術を見直す──科学技術と日常生活の関係がかくも密接になっているにもかかわらず、そこでの情報の流通や視点の提供などは、科学者→日常生活という一方通行になりがちです。そうすると、実は日常生活で重要であるにもかかわらず専門的知見がさほど蓄積されていない現象などについては、社会的な認知が遅れがちです。BSE騒動やアスベスト、ダイオキシンなど、いたるところにそのような「エアポケット」が存在します。このような状態を少しでも改善し、専門家と市民とが共同戦線を形成できるような手法や制度、理論枠組みなどの構築を目指しています。 【NPO法人「市民科学研究室」との共同研究】

I ? 3  脳神経倫理学(ニューロエシックス)の現状と展望 ( Neuroethics Research Group = NeRG )

 近年の脳神経科学の急速な進歩、とくにヒトを対象とした研究の発展は、さまざまな倫理的・法的・社会的な問題を喚起しつつあります。とくに脳研究の成果は、教育や宗教などとも関係することが多く、従来の生命倫理(バイオエシックス)とはひと味違った領域を形成しつつあります。そもそも、「私」と「私の脳」は、同じなのか、違うのか? 脳神経科学の知見は、「個人」や「人格」といったものを行為主体の単位として考えてきた近代社会の根底を覆す可能性すら秘めています。そのような影響力をもった科学的成果を、この社会の中でどのように位置づけていくのか、生物学哲学の知見を踏まえつつ、検討します。 【JST「脳科学と社会」研究センターとの共同研究】

[ II ] 非生命体の進化論

II ? 1  知識の進化 ( KnowE = Knowledge Evolution )

 人間の知識体系は、あたかも生命体のように進化してきました。さまざまな現象を、より整合的に、より合理的に説明できる理論や枠組みを探し、より多くの人たちが納得できる知識体系が、少しずつ構築されてきました。この進化過程には、情報流通の手法や制度、道具──つまり広い意味でのメディアが大きく関係しています。科学史や技術史を、このような進化的な観点からメディアを視野に入れつつ見直すことで、現在の情報化社会における科学技術のあり方、ひいては教育のあり方についても何か提言ができると考えます。たとえば、インターネットの出現によって書物はどう変わったか、ブランド・イメージはどのように進化してきたのか──というテーマから、この問題に迫ります。

II ? 2  ウェブサイトの進化 ( EWeb = Evolution of WWW )

 インターネットの普及は、人類社会の知識のあり方を大きく変えました。今後も、さらなる変化が予想されます。書物と図書館の世界から、デジタル情報とネットワークの世界へ。しかし、では具体的に何がどうなったのか(なっているのか、なっていくのか)と言えば、よく分からないことだらけです。そこでこの研究室では、「コンテクストをどう創発させるか?」を切り口に、ウェブサイトがどのように「進化」していくか、ネット空間と実空間との有機的な関係をどのようにデザインするか、実践的な活動への展開を視野に入れつつ、考察しています。 【一部、日本科学未来館との共同研究】
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